一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル
著者:東 浩紀
販売元:講談社
(2011-11-22)
販売元:Amazon.co.jp
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「ひとつの誤解はまず、民主主義2.0とは、情報技術に支援された、新しい熟議民主主義だというものである(……)すべての市民が政策決定に電子的手段で参加する新たな直接民主主義の実現。ネットにそのような夢を託しているひとは、いまでもじつに多い。

他方でもうひとつの誤解は、民主主義2.0とは、市民の個人情報を徹底的に収集し分析し、それをもとに最適解を数理的に決定していくような、いわば「データベース民主主義」だというものである(……)

しかし本書が主題としてきた一般意志2.0の構想は、それら両者の組み合わせとして考えられている。人間と動物、論理と数理、理性と感情、ヘーゲルとグーグル――それらさまざまな対立を『アイロニー』で併存させ、接合したところに、本書が構想する民主主義2.0は立ち現れる」(『一般意志2.0――ルソー、フロイト、グーグル』p215-216)

東浩紀氏は『一般意志2.0』(講談社)の冒頭に「筆者はこれから夢を語ろうと思う」という一行を置きました。その言葉の通り、あまりにも大きく、そして未完成の「夢」が収められたこの本は、まるで将来の読者にこそ一縷の期待を託し、いまは息をひそめてその到来を待望しているかのようにも映ります。

しかしながら、著者の思惑を超えて、すでにこの本は発売当初から大きな反響を呼び、著者を含んだインタラクティブな環境での「夢」の成形が始まりつつあります。

同時に、著者が杞憂するように、そこで語られる構想のみならず、哲学者自身の「伝統的な思想人への回帰」を示す書物ではないかとの誤解を招きかねないほど、可能性と裏表をなす危険を秘めた本であるともいえます。

そこで、シノドスジャーナル編集長・荻上チキが、『一般意志2.0』の射程と可能性について、著者との対話から真意を探ります。

構成:柳瀬徹(シノドス編集部)